テキストああ、窮奇使いである身でありながら、いつしか絵に心を奪われてしまった。標兄さんは、自分の描く絵がいつの日か後世に語り継がれ、高値で取引されるような名画になることを、ひそかに夢見ている。だが、そのささやかな願いを、彼はまだ誰一人として口にしたことがない。