テキスト酒盃のような姿をした野草で、絹の霧のごとき水辺に生える。葉は朝露と夜霜を受けとめ、いつしか琥珀色の酒香を醸し出す。 これは本来、植物が種を広げるための自然な営みに過ぎないが、人々はそこにさまざまな物語を重ねてきた。涼州の風骨が凝り成したものとも、蒼天から授けられた美酒とも、露を飲めば若返る秘宝とも語られる。 酒盃に注げば流れる霞のごとく万の思いを解き、もとは荒原に生きる一介の草に過ぎなかったという。