テキスト

馬漫香もまた、話本で読んだことがある。腕利きの侠客が、わずか三手五手で賊を討ち果たす、あの痛快な話の数々を。だが現実に、そんな侠客のように自由奔放で強い者がどれほどいるというのか。だからこそ、契丹人が家に踏み込んできた時、馬漫香はただ、両親が無念のまま命を落とす姿を見届けるしかなかった。そしてその刃は、次に彼女自身へと迫ってきていた…