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公輸くくは、公輸家第九十九代目にあたる末裔である。
他の猫たちとは違い、公輸家は由緒正しい名前を持つ、名門の「猫貴族」なのだ。
祖父の話によれば、そのまた祖父の...さらにそのまた祖父の代には、かつて「とても偉い人」に飼われていたことがあるという。
その偉い人は、極上の木材を使って、祖父の祖父の...さらにその祖父のために、雲に届くほどの高さの塔をしつらえてくれた。ところが隣に住む墨家の猫がひどく妬み、人間を使ってわざわざ壊しに来たのだ。
はあ...代を重ねた今となっては、公輸家の屋敷には、爪とぎの板一枚も残っていない。
まったく、世も末だな...くくはそうぼやきながら、そばの手すりを軽く爪で引っかき、浅い爪痕をいくつか刻みつけた。