テキスト

茨に残る褐色の染みが、無慈悲な裁きを物語っている。 痛みよりも深く刻まれたのは、辱めと冤罪の記憶だ。 幾度となく天を仰いでは、世の不条理を嘆き訴えた。 幾度となく遥か彼方を見つめ、ふたたび瀚海へ帰ろうと願った。 だが応えたのは、ただ一輪、永遠にそびえ立つ月のみだった。