テキスト

亡き者と語らえると噂される浮遊屋敷。その正体は、墨門の弟子たちが伝音の仕掛けを研究する中で、ついでに行ったささやかな善意に過ぎなかった。本来はかすかな声を千里先まで届けるはずだったが、開発は難航し、歪んだ音色になってしまう。だが思いがけず、その歪みが多くの人に温もりをもたらしたのだという。