テキスト幼い頃に馬に振り落とされた不快な経験からか、伏馬荘の当主の娘でありながら、記盛は馬に関わる業務に熱心ではなかった。ただし象棋の駒の「馬」は例外――記家の令嬢は象棋を溺愛し、「勝った者と結婚する」と豪語していた。独学で極めてから十余年、彼女はずっと無敗を誇っていた。ある人に出会うまでは。