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北山原の西には、黄金の波のような森が広がっている。一年のうち数か月は濃い霧に包まれ、方角を見失いやすく、道も定かではなくなる。森には邪悪な妖魔や精霊、幽鬼が棲むと語り継がれている。夜の闇が深まると、霧の合間に人影がちらちらと揺らめき、枝には血痕のような赤い斑点が残ることもある。だが、夜が明けて再び森に入ってみれば、ほとんど何も痕跡は見つからない。ただ、霧の中に埋もれるように、小さな祠や廟がひっそりと点在しているだけだ。