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象棋で伏馬荘の令嬢・記盛に勝った燕照は、見事美しい妻を手に入れた。婚礼前夜、義兄の記玉棠に馬場外へ呼び出される。拳脚を交えた「親密な交流」の後、義兄の長い説教が始まった。 「お前は本当に得をしたんだぞ。妹が『象棋で勝った者と結婚する』と言い出してから、伏馬荘は厳戒態勢だった。挑戦者を何人もふるいにかけ、少々婚期が遅れても頼れる男に嫁がせようと思っていたのが、軍人風情に掻っ攫われるとはな」 「妹は負けるのが大嫌いだ。顔に出さなくても、心の中では何日も気にしている。これからは絶対に勝つな。不機嫌にさせるなよ?」 「妹を大切にしろ。傷つけたら、歯が砕けるまで殴るからな……」 燕照は黙ってうなづき、全てを承諾した――もちろん妻を心から愛し、幸せにしてみせるつもりだった。彼女の笑顔が好きだ。記盛に最も似合うのは、笑った顔だと確信していた。