テキスト

太倉粟は八年前、深刻な毒疫の災禍に見舞われた。霧林のほとりの達安村は特に甚大な被害を受けた。幸い青渓の医者たちが懸命に治療を施し、毒菌を霧の森に封じ込めた。しかし近頃、その災いの根源である毒菌が再び現世に現れた。達安村に至ると、霧が立ち込め、街路は無人で庭園も静寂に包まれていた。ただ一つの怪物の後姿が、ちらついては消える。仔細に探ると、村人が何か言い表せぬ秘密を隠しているようだ。全ての手がかりは村の祠堂を指し示す。幾多の困難を経て祠堂の鍵を手にしたが、毒菌は既に祠堂の壁を覆い尽くしていた。 祠堂の位牌に触れると突然意識が朦朧とし、誰のものか分からない記憶に飲み込まれた。これによって廃村の由来と、十二年にも及ぶ因縁と情義の物語を知ることとなる。