テキスト

彼が抱いていたのは、ただひとつのささやかな願いだった。自分のような平凡な一本の草に、どうして素晴らしいことが起きてはいけないのだろう?そう思い巡らすうちに、つぼみはほころび、春が訪れ、鮮やかな色彩が小さな花一輪に咲き誇った。それは、平凡に見える彼の身の内に秘められていた、非凡な魂の証だった。