テキスト

ある犬が、いつものようにうとうとしていた。ふと気づかないうちに、隣の薬炉の熱で背中を焦がしてしまい、まるで小さなおこげのようになった。 それ以来、その犬は「おこげ」と呼ばれるようになった。 おこげが自分の背中が焦げてしまったと気づいたときも、実に冷静だった。慌てることなく、地面の上を何度かごろんと転がって、体についた火花をきちんと消す。 そして何事もなかったかのように、またまぶたを重たく落として、だらしなく寝続けた。 ただ一つだけ変えたのは、次からは薬炉からほんの少しだけ距離を取って眠るようにしたことだった。