テキスト

そびえ立つ天工閣は、墨門千年の歴史を宿す場所だ。 職人たちは技が尽き、思考も行き詰まり、ひらめきが訪れなくなると、この閣を訪れて歩き回る。先人の絶技を見て、新たな発想を探すためだ。 閣に収められた品は膨大で、どれほど見識の広い者でも、そのすべてを知り尽くしたとは言えない。まして時代ごとに奇才は現れ、新たな作品が次々と生まれてきた。そこにあるものは、奇抜な発想を極めて一派を成したものもあれば、複雑を削ぎ落として人々の役に立つものもある。 その技は天の果てに届く高みから、市井のささやかな暮らしにまで及ぶ。墨門の技と精神は、まさにこの天工閣に集約されている。