テキスト学問の海は無限ではない。だが「論文に新味が足りぬ」という師匠の一言によって雁九笛が卒業する日は、はるか彼方へと遠のいた。武道変化の理はもとより深遠にして難解である。新説を打ち立てるなど、容易なことではない。それでも彼はこの地で天と地に問い続けている。しかし応えるものは、ただ風に散る落花のみであった。