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仙酔い月の客室はいつも賑やかだ。店員が行き交う客に離人涙を注ぎ、五湖四海から来た侠客たちがそれぞれの訛りで各地の見聞を語るのを聞いている。だが杯の酒を飲み干す時、すべての言葉は満ち足りた嘆息に変わる。ふと思い出した。前回刀兄貴が忘仙郷に来てから、まだここに座って、お前が自ら注いだ酒を一壺も飲んでいなかったことを。 あれほどの名刀を持つ人には、この世の美酒こそがふさわしい。刀兄貴に会いに行くなら、一壺用意しなければ…… 満江紅。河西狂瀾の満江紅は、刀兄貴が口にした最初の酒だったのだろうか。あれほど烈しい酒が刀兄貴の骨まで染み込んだからこそ、その刀にまで酒気が宿っているのだろう。 お前は酒壺を提げて刀兄貴の墓前に来ると、碑の上の落ち葉を払ってやった。窯場で初見の時の挑発を覚えている。廃寺での率直さも覚えている。一緒に江湖へ出よう、外の世界を見に行こうと約束した。なのに彼は、お前の暮らしに飛び込んできた嵐のように、激しく江湖の一端を見せてくれたかと思えば、そのまま世間に消え去った。そう、消散――日の光の下の雪のように、流水の中の塩のように、探しようもない。ただ一身の悵然を、すべて壺の中の酒に託すのみ。