テキスト武松源は演武台の脇に姿を見せないことがある。彼が戻ってきたときには、ずぶ濡れになって、珍しい泥の塊と色鮮やかな颜料を詰めた細工瓶を鍛冶台に並べた。 翌日、江湖の旅人たちが、嬉々と黒い包みを持ち帰った。品の出どころを尋ねても、誰もが口をそろえて、猫が地下道を掘り、夜ごとくわえてきたのだという、中には、温家伝来の猫を鎮める術を持ち出して人を驚かす者までいた。 その猫は酒場でも開いて金を稼ぐかもしれない。皆それを知ってはいるが、口にする者はいなかった。