テキスト

「ケチな犬は、決して食べ物を分け与えない!」 そんな噂話が、すでに曲坊の裏庭にいる犬たちのあいだでは広く知れ渡っている。 実のところ、このあたりの犬たちは食べ物に困ってはいない。肉付きのいい骨が山のようにあり、一匹ではとても食べきれないほどだ。 それでも、あの犬は他の犬たちが近づいてくるたび、激しく吠え立てて追い払い、骨をくわえて誰もいない隅まで運んでいく。そこできょろきょろと周りをうかがい、慣れた様子で土を掘って、余った骨を一本一本埋めてしまうのだ。 では、埋めたあとで本当に掘り返して食べるのかといえば、ケチな犬自身にも、よく分かってはいない。ただ一つはっきり覚えているのは、かつて妹と二匹で長いあいだ空腹に耐え、食べるものがなく、妹の体がひどくやせ細っていたこと。それだけが、今も胸の奥に消えずに残っている。