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なにが財神だ、元を辿ればただの人間だ。 かつては近所中から「まじめな商人」と評判だった。名前に「真」の字を持つように、朝から晩まで誠実に生きてきた。だが、「足るを知る」のは自分だけでは意味がなかった。高貴なる者たちの欲望には際限がないのだ。 未央城の権力争いで全てを失い、土埃の中で生死を彷徨ううちに、史真は「もっと早く気付くべきだった」という真理を知る―― 金を稼がなければ、誰かが代わりに稼ぐ。生きようとすれば、誰かが殺しに来る。未央城の一枚の玉が史真に再起の機会を与えた。「真」から「鴆」へと名を改め、温無痕の手駒となった。温無欠を追放した後、自らが未央城の賓客となれると思ったが、温無痕の目には、金箔を貼られた蟾蜍にすぎなかった。 「なぜ温家だけが財神なのか?絶対に信じない」 この言葉と未央城の秘伝武術で、ついに江湖随一の謎に包まれた「楼主」の目に留まる。 もはや江南の史真でも、未央城の史鴆でもない。開封府の史公、織金閣の玄林司掌、そして――万人に崇められ、万人に恐れられる黒財神となった。