テキスト
福禄寿の三人の小娘たちは字が読めず、それでもどうしても君に手紙を書きたいと、この老いぼれに代筆を頼んできた。あの子たちが口にしたことを、わしはそのまま書き記しておる。細かなことばかりだが、どうか笑って許してくれ。
お福:老山、こう書いて……でかいのへ。あの日、熔炉で別れたあと、お福たち、すごく心配してたんだよ。
お寿:そんな書き方やめて!お寿はあんなばかでかい奴の心配なんかしてない!
お福:でも、あのとき家の中をぐるぐる回ってたじゃん? お福、目が回りそうだったもん!
お寿:そんなことない!お福のバカ!思い違いよ!
お禄:もう、けんかしないで。今は$T(2001)に宝の話をしないとでしょ?老山、こう書いて。君を心配して、また熔炉に探しに行ったんだけど、君は強いから一人で戦って外に出てた。だから、残ってた宝を拾った。でもお禄たちには使いこなせないから君に託すことにしたよ。
お寿:お寿は別に、$T(30)にやるなんて言ってないからね!
お禄:はいはい、言ったのはお禄とお福だけだよ。
お寿:二人だけみたいに書かないでよ……
お福:分かった!それって「ロバの口は馬の頭に合わない」ってやつだね。
お禄:言ってることと思ってることは違うってことよね?
お寿:お福、今、お寿のことロバって言った!?
お福:ち、違うよ……お寿は自分のことロバだって思ってるの?
……
はぁ、またお福とお寿がけんかを始めよった。お禄が慌てて止めに入った。うるさくて敵わんわい。一体いつになったら静かになるのやら……。まあよい、待っておれん。暇ができたら鬼市にあるわしの付墳典まで来てくれ。あの子らが熔炉から持ち帰った宝、預かっておるからな。