テキスト

六月五日 本日、試験飛行。風は西南から強く吹き、向かい風に阻まれて機体は浮き上がらなかった。悔しさはあるが、改良を重ねて再び空へ挑む決意は変わらない。 六月十五日 本日も試験飛行。風はやや東寄りだったが、機体はいまだ思うように飛ばない。悔しさはあるが、この機体を信じて改良を続ける。 六月二十五日 試験中に大雨に見舞われ、またしても飛翔は叶わず。失望は大きいが、神女の歩みに倣い、改良を重ねて必ずこの機体と空を翔けたい。 七月五日 本日は風も穏やかで離陸は安定したが、すぐに木にぶつかり全身に傷を負った。しばらくは休まねばならない。神女よ、失敗こそ成功への道でありますように。 七月二十五日 再びの失敗にただ無念が募る。 八月五日 本日、大胆な試みを行った。痛みをこらえて機体を分解し、多くの部品を組み直した。飛ばしてみると確かな改善を感じた。ついに飛ぶ兆しが見えたが、長くは続かず、糸の切れた凧のように地に落ちた。それでも初めて味わう飛行の喜びに胸が震えた。 八月十日 前回の落下で傷めた脚がなかなか治らず、再挑戦の時を思い悩んでいたが、道中で親切な人に助けられた。きっと神女の導きだ。飛ぶ夢はまだ消えない。 八月十五日 改良した機体で再挑戦したが、結果はこれまでと変わらなかった。この失敗で両脚を折り、深い葛藤に沈む。それでも飛ぶ夢だけは、どうしても手放せない。