テキスト彼は古びた地図を一枚手に、砂嵐の中から抜け出し、荒野を歩き続けていた。 何度も咳き込み、長い間病に苦しみ、地図すらまともに持てないほど弱っていながらも、その胸には確かな喜びがあり、足元はわずかに震えていた。 もうすぐだ。砂漠を抜ければ、もうすぐだ。 きっと辿り着ける。大唐へ。 風にさらされて皺の刻まれた顔に、かすかな笑みが浮かぶ。その笑みは、まだ若く輝く瞳の奥で、小舟が静かに波紋を広げていくように揺れていた。