テキスト

大ぶりで美味なきのこ。薬としても使える。 かつて碧き雲海のほとりに暮らす猿たちの群れには、恐ろしい伝承が語り継がれていた。 死期を悟った老猿王は、新参の若猿たちにこう諭した。 墨城へ行ってはならぬ、墨城へ行ってはならぬ。 墨城の職人は、我らの同族を食らうのだと。 ある日、説教そっちのけで話に集中していなかった小猿が、大きな茶色のキノコを抱えて巣へ戻ってきた。 なるほど、職人たちの言う「サルノコシカケ」とは、猿が座る椅子ではなく、この巨大な香り茸のことだったのだ!