テキスト伊刀は知っていた──江湖を共に歩む者にも、別れの日が来ることを。 慣れっこになっているはずだった。 だがまさか、それがこんなに早く来ようとは。 例の小僧を放り出そうとすると、気持ちがせいせいした。だが次の瞬間、妖女の刀が閃いたのだ。 胸に熱い痛みが走り、眼前が真紅に染まる。 ちょうど良かった、あの小僧の表情を見ずに済む。 置いて行かれる者の顔を見るのは──気恥ずかしくて苦手だから。 大したことは思い浮かばない。ただ、まだ江湖を知らぬ未熟な小僧のことが気掛かりだった。