テキスト我が一門は術と算を家業とし、門人や弟子は皆、常に二人一組で碁を打つ。碁盤の上、黒と白のあいだには、運命の流れが潜んでいるのだ。あの年、師匠は一局を並べ、仇栖楼と陸析に石を選ばせた。仇栖楼は白石を手に取った。先手だとか後手だとか、陰陽だとか天地だとか、そんな理屈は一切気にせず、ただ「白が綺麗だから」と。兄弟子がいつも白衣をまとっていたからでもある。