テキスト
斜めに歪んだ字で、一行一行、特別な帳簿が記されている。
入:
「天顕十一年、□□を渡し場へ案内し、□□十文。」
「天福二年、行商人を□□駅へ案内し、干し糧一包、餅三枚を得る。」
「天福三年、火を貸して道を照らし、礼銭五文を得る。」
……
「開運三年、河中より衫二、靴一を拾い得る。銭三文に換える。」
出:
「天顕十一年、王大の長男より魚一□を借り、未払いとして記す。返済済み。」
「天福二年、雨大いに降り、李婆より□衣一着を頂く、未払いとして記す。返済済み。」
「天福三年、病中、慶嫂が代わりに水三桶を汲む、未払いとして記す。返済済み。」
……
「開運三年、李おじいより稲米半斗を頂く、未払いとして記す。未返済。」
他にも関係のない記録がある:
「李おじい、アシの花に『芦』『花』の二字を教える。」
「さらに薇、帰の二字を覚える。」
……
紙の上の墨の跡は濃淡さまざまで、明らかに長い年月にわたって記されたものだ。今やこの帳簿は、もう二度と清算できない。