テキスト
金剛杵とは、インドラの電光であり、
諸尊聖神が手にする神兵であり、
邪なる魔を打ち砕く法具であり、
修法に用いられる宝具でもある...
それなのに、あの僧侶はなぜ、それを「大いなる智慧」だと言ったのだろうか。
幾年も過ぎ、こめかみに白髪の目立つようになった張議潮があの日を思い返したとき...ようやくその意味を悟ったのだ。
侠とは、ただ忠義と勇気を備えるだけではなく、同時に慈悲深き仏心をも持たねばならぬ者をいう。
金剛杵は厄を打ち砕き、障りを浄める。その刃が打ち壊すのは、衆生に満ちあふれる無量無辺の苦しみそのものなのだ。