テキストある男と心ゆくまで象棋を打った。酒たけなわのとき、「俺の弟子にならないか。夭泉は金もある。今よりいい身になれるぞ」と男は誘った。彼はそれを信じ、陶保について行き、辿り着いた先が九流門だった。「秒殺王手」「遠隔操作仕掛け」「豪華補助金」など、男はそうした手口をいくつも教え込んだ。兵営を去る前、陶保は三十あまりの車駒と、自作の棋譜一冊を残した。信じて間違いはなかった、と彼は思う。