テキスト厳奇人は楚地に生まれ、身なり質素にして四方を流浪。器用な手先で忍びの道を歩み、人当たりの良さで人望も集めた。ある日、高座で光玉観音を奪うと宣言。数十人が守る中、一瞬で奪い去り、誰も動けず。その妙技から「光玉の手」と称され、一夜にして名がとどろいた。 だが凱旋の先に待っていたのは、もぬけの殻の我が家と、消えた妻子。渡る人を惜しまず流れる水のごとし──心ある者よ、清河の石洗ヶ浦にて、その行方を探されよ。