テキスト
判別しにくい刻字
乾祐元年、水位ここに到る:
一に、この水位にて高低の田畑、共に恙なし。
二に、この水位にて最も低い田畑、水に浸かる。
三に、この水位にてやや低い田畑、水に浸かる。
四に、この水位にて中ほどの低き田畑、水に浸かる。
五に、この水位にて中ほどの高き田畑、水に浸かる。
六に、この水位にてやや高い田畑、水に浸かる。
七に、この水位にて最も高い田畑も、共に水に浸かる。
水涸るるも足首を潤し、水嵩増せど肩を浸すことなし。故に飢饉を知らず、凶作の年なし。
(歪んだ刻文)
水の理を追いここまで来たが、もはや道は絶たれた。今生にて縁がなければ、来世にてまみえんことを。来世では、この簪を誓いの証としたく……