テキスト

さくらはよそから流れ着いた野良猫だ。人に見つけられた時、さくらの木の下でぐっすり眠っていた。柔らかいお腹には花びらが幾つか乗り、呼吸と共に上下していた。さくらは自分が美しいことを知っている。自分は瓦子で唯一の三毛猫だ。自分を家に連れ帰ろうとした人もいたが、いつも優雅にさくらの木の下に戻っていた。人に愛される感覚が好きだが、自由も大好きだ。