テキスト
この通りでは、誰もが胡剥皮を嫌っている。性格は、まるで蓋のない火薬樽のようで、ちょっとしたことで爆発する。通りすがりにちらりと見かけただけでも、耳障りな悪態が飛んでくる始末だ。
近所の人々は口をそろえて、あれはしつけがなっていないのだと言う。実際、彼には両親がおらず、幼いころからそばにいたのは、饅頭という一匹の犬だけだった。
饅頭が野良犬に追いかけられて咬まれれば、胡剥皮はすぐに箒をひっつかんで駆けつける。饅頭がお腹が空いて情けなく吠えれば、ポケットから残り半分の雑穀パンをちぎって与え、「このクソ犬、うるせえな」と悪態をつきながらも口元まで持っていく。
みんなは彼を嫌うが、饅頭だけは彼を嫌ったりはしない。