テキスト

破り捨てられた地図。 引き裂いた者は力尽きていたのだろう。紙には半ば裂けた跡だけが残っているが、それでも道筋ははっきり読み取れる。 出発のとき、仲間から地図を託され、そこには飛泉宿から長安へと線が引かれていた。 復命のとき、地図は引き裂かれ、線は故郷なき場所から故郷なき場所へ向かうものになった。呉函は言う――川の流れは変わらない、と。 千年経っても水路は変わらず、その流れも変わらない。水上に浮かぶ舟は時を漂う。 時を漂う舟は、かつての時へ戻れるだろうか。だが残念なことに、この砂海には舟がない。