テキスト

飛将棋は、中国古代のボードゲーム、弾棋から派生した遊戯である。沈括は、弾棋は漢代に起源をもつと考え、「漢の元帝は蹴鞠を好み、蹴鞠は労が多いので、それに似ていながら労の少ないものを求め、ついに弾棋という遊びを作った」と述べた。唐代は、中国古代における弾棋発展史の一つの最盛期であった。この技巧によって勝敗を決する遊戯は、たえず文人の詩歌の題材となり、杜甫・白居易・李賀・王涯・韋応物らがいずれも詩に詠んでいる。王涯の『宮詞』にある「向晩に灯を移して銀擎の上に置き、叢叢たる緑鬃坐して弾棋す」との一句こそ、唐代に広く流行した弾棋を見事に描写したものである。