テキスト

途師弟へ しばらく顔を見ないが、北へ向かう道すがら、そなたの構件のことを思い返していた。初めの着想に難があるのやもしれぬ。古い枠に縛られ、論の食い違いに気づかぬまま進めば、この先は徒労に終わろう。ひとまずこの案は置き、逆から考えてみよ。あるいは新たな得るところがあるはずだ。 墨門の道は、よく思い巡らすことを何より尊ぶ。たとえ功に至らずとも、一つの誤りを退けられれば、後に来る者への戒めとなる。 この書に干し花を一枝添える。老農いわく、北地ならではの草木とのこと。山中では見かけたことがない。ゆえに二人の師弟に見せたく、同封した。筆を尽くせぬが、どうか励んで学び、自らを大切にせよ。