テキスト

門の務めに追われながらも、折に触れて山を下り、師の託しに従って封龍書院の旧友を訪ねている。兄弟子が戻ってから幾年も経つのに、まだゆっくり語り合えていない。幼い頃の日々は、いまでは星の光のように遠い。 ここの雲の筏はすでに形になった。いずれ兄の流水の軌が整えば、動かすこともできよう。だが名に雲の筏とあっても、まだ空を翔ける真の姿には及ばぬ。仕掛けの道において、私はいまだ鈍い。 年を重ねるほど、時は待ってくれぬと痛感する。この短い生で仕掛けに心血を注いでも、進みはわずかばかり。思えば口惜しい。 ある日書を読み返し、ふと悟った。昔、愚公は岩の厚さに志をくじかれず、日々鑿を振るい、ついに山を動かした。耕しも同じだ。土を培い、水を注ぎ、日々積み重ねれば必ず実りはある。 墨門は千年山に隠れてきたが、その願いもいつか叶うだろう。旧き跡の灯が私を照らすように、いずれ私も後の者を照らしたい。 雨はしとしとと降り、天弓は西にかかり、東風に恵まれて穀は豊かに実る。 雲の筏も後に軌を改め、あるいは天に星槎を生み出す日が来るかもしれない。そのすべては、後の世に託そう。