テキスト
こたつの鼻は、良い石を見分けることができる。
硬い石でも柔らかい石でも、エメラルドでも白い石でも、良い石には独特の香りがある。
こたつは匂いをかぎ、前足でポンと叩くと、石工が掘り始める!すぐにカゴはいっぱいになり、こたつは石の山の上でイキってる。
...ざあざあという水音が、子猫の夢を打ち砕く。
良い鼻も、香る石も、何もなかった。あるのは半死半生の体と、空のカゴ、切れかけのヒモだけ。
こたつは冷たい川に流され、泳げもせず、沈みもしない。
やがて、黒い影がこたつのつかまる石を支えてくれた。見上げると、その目は宝石みたいにキラキラしてた。
...良い石には香りはないけど、子猫の心を温めてくれた。
足を失ったこたつと、手を失ったやさしい人。
二人は寄り添いながら、石を探し、心を探した。