テキスト
嘆きの崖の用水路には、かつて九十九匹もの猫が挟まったことがあった。そのうち、一匹が青銅の歯車に前足を巻き込まれ、爪ごと切り落とされてしまった。匠人たちは知恵を尽くして治療に当たったが、その猫は断たれた爪の痛みで悲鳴を上げることも、匠人たちへの不満も一言も漏らすこともなかった。ただ、好奇心に満ちた子供のように、心はいつも雲海の彼方をさまよっている。継手がどう動くのか、仕掛けはどう組まれているのか、水車がきぃきぃと鳴るたびに、その音が胸の奥をくすぐるのだ。ある晩、月が静かにその猫を見つめていた。やがて猫は、歯車に向かって太い前足をすっと差し出した。パタン!...やはり「好奇心は猫を殺す」ということだな。