テキスト埃まみれの帳簿。臨江駅の元店長が残したものらしい。 開かれているページには、かつて往来した宿泊客の情報が細かく記されている。 …… 顕徳五年十月二十二日 開封の商人孫氏、地の字部屋、三泊、食事付き、馬車預かり、掛け売り五百文、支払い済み。 …… 顕徳六年……月三日 北から来た豪客蕭氏一行、天の字部屋、二泊、食事付き、馬車預かり、掛け売り二千文。 顕徳六年……月四日 北へ向かう旅人……氏一行、相部屋、一泊、食事なし、前払い五十文。 (記録は顕徳六年でぷつりと途絶えている)