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大地震から命からがら逃げ出した胡二餅に残されたのは一匹の老犬と、数枚のナンだけだった。 砂の海を越える道のりで、一人と一匹が残り僅かなナンを分けて食べていた。そんな状況でも犬と主は寄り添って離れることはなかった。 やがて…

大地震から命からがら逃げ出した胡二餅に残されたのは一匹の老犬と、数枚のナンだけだった。 砂の海を越える道のりで、一人と一匹が残り僅かなナンを分けて食べていた。そんな状況でも犬と主は寄り添って離れることはなかった。 やがて最後の一切れがなくなり、 胡二餅は飢えと渇きでついに倒れた。気絶前の記憶は、必死に彼の体を掻いてから、吠えながら遠くへ走っていった老犬の姿だった。 「相棒。腹いっぱい食べるんだぞ」という思いとともに胡二餅は目を閉じた。再び目を覚ました時、砂泉の里にいた。 村人たちの話によると、村にぐったりした老犬がやってきて、近づく村人のズボンを咥えて必死に砂漠の方へ引っぱろうとしたが、力尽きてとうとう倒れた。村人たちがその示した方角へ進んでいくと、砂漠の中で気を失っている胡二餅を見つけた。 老犬の所在を聞いて案内された胡二餅は、涼棚の下に横たわっていた相棒を見つけた。胡二餅の姿を認めると、老犬は最後の力を振り絞って頭を上げて尻尾を振った。 その日、胡二饼は老犬に、たくさんのことを語り続けた、静かに息を引き取ったその時まで。最後の最後まで満足に食べさせてあげられなかったことに胡二餅はずっと後悔している。

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