テキスト
夜道を歩く者は、ときどき赤い服の小さな女の子の列に出会うという。先頭の子が一番かわいそうに見えて、「少しだけ手を引いて。暗くて怖いの」と頼んでくる。
ある夜、帰りの遅くなった物売りが哀れに思い、その手を取ってしまった。だがその手は鉄の輪のように冷たく、離そうとしても外れない。逃げようとしても足が動かず、赤い列に引かれて歩かされる。
やがて人のいない荒れ林へ入っていき、声も出せなくなる。気づけば自分の手も青く冷たくなり、女の子たちの目はどれも空っぽで子供らしさはなかった。最後には意識がぼんやりしたまま列の最後に加わり、自分も赤い服の女の子になって歩き続ける。
老人は言う。あれは「手を引かれた」身代わりだと。先頭の子の手は魂を引く縄で、一度つかめば、その代わりとして永遠に列に加わることになる。