テキスト

銭多多という名は、自分でつけたものだ。彼は言った、人の一生、何が少なくてもいいが、銭だけは少なくてはいけないと。 軍中の誰もが彼を笑い、燕北盟一の守銭奴、臆病者だと言った。 だが彼はただニッと笑い、そろばんをパチパチと叩き続けた。 彼は一生帳簿をつけてきたが、最も重い一筆は王清将軍との間のものだった。 あの年、虜人が村を屠った時、生き延びるために、彼は廃井戸の中で五日間耐え忍んだ。 飢えに耐えかね、草の根を齧り、泥水を飲み、蛆虫を食べた。 井戸蓋の隙間から、火の光を見、悲鳴を聞き、血の匂いと焦げた匂いを嗅ぎ、風の音から馬蹄の遠近を聞き分け、空気の震動から人が近づいているかどうかを感じ取ることを覚えた。 ポタ、ポタ……そうして腐臭と絶望の中で五日間身を縮めていた。 井戸の口から光が一気に差し込むまで、そして——将軍が来るまで。 銭多多は泣かなかった。だが心の中で黙黙と帳簿を開き、厳かに記した——王清、命一条の借り。 将軍の傍にあのよく知った「危険な呼吸」を嗅ぎ取った時、この全軍一の臆病者は、初めて逃げなかった。 彼は丁寧に、自分の全ての秘密と優しさを込めた信を書き、そしてあの年の廃井戸の中のように静かに、将軍のために仕組まれた死地へと歩み出た。 将軍の命を救いに行くのだ。あの年、将軍が井戸から引き上げてくれたあの命で、換えるのだ。 この帳尻、彼は半生をかけて計算してきた。今日、終にそれが合う。