かつて世が泰平であった頃、秦川では粟を用いた稠酒が盛んに醸された。醪は飴のごとく濃く、市井の祭礼にも酒売りの姿が絶えなかった。庶民は労の渇きを癒やし、富家は宴に必ずこれを供す。一杯の中に、秦地の風俗の素朴さが宿っている。