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関兄へ。 俺の言うことを聞け。恩人とやらの戯言なんざ気にするな。張将軍を狙って暗殺なんて考えは捨てろ。河西は、もうこれ以上乱れちゃいけねえんだ。どうしても愚かな真似を通すつもりなら、兄弟分だと思って遠慮してた拳も遠慮なく飛ぶと思え。お前のその恩人とやらは、恩義を盾にしてお前をこき使ってるだけだ。偉いだの貴いだのって面した連中が、人を奴婢のようにこき使う妄想ばかりしてやがる。そんなやつ、くたばっちまえ。 俺はそろそろ張将軍のお供で涼州へ戻ることになる。そうなったら絶対に顔を合わせて、腹いっぱい飲み明かそうじゃねえか。お前の仕込んだ三勒漿を飲めなくなって、もう三年だ。この数年、帰義軍について走り回ってたが、作法がやたら厳しくてな。狂瀾の者は酒を飲むな、だとよ。はっ、いっそ一思いに斬ってくれたほうがましってもんだ。 去年、寺で金剛橛を売っているのを見かけた。邪を払って穢れを祓うんだとさ。お前があの年、祁連山で泥酔して唱えてた清心の呪をふと思い出してな。ついでにひとつ買っておいた。次に会うとき渡すつもりだ。今回、死地から生きて戻ったお前への祝いってことにしよう。 だから決して、命を捨てるような真似は考えるな。まだまだお前と一緒に、何度でも杯を重ねたいんだ。 狂瀾の酒徒より