テキスト

一、秋娘へ 先生が字を書くことを教えてくれた。俺は書きたくなかったが、字を覚えりゃいいことがある、人に信も書けるようになると言われた。秋娘、お前に書くよ。会いたい、ずっと会いたい、お前と一緒に行けたらよかったのに…… …… 二、苗娃へ 父ちゃんはいつもお前の夢を見るよ、苗娃。お前もお母ちゃんも逝っちまったのに、俺はなんでまだのうのうと生きてるんだ……何十年も田んぼを耕してきたのに、なんでお母ちゃんとお前を飢え死にさせちまったんだ?何のために田を耕してたんだ? …… 三、苗娃へ 苗娃、父ちゃんはお前にすまなかった、ちゃんと見てやれなくて……あの土はたくさん食っちゃいけなかったのに……父ちゃんはお前が腹を空かせてたのを分かってた、分かってたんだ…… …… 四、苗娃へ 父ちゃんはもっと字を覚えたぞ、お前に教えてやれたらよかったのにな。みんなが俺に名前までつけてくれた、劉思農っていうんだ、へへ、父ちゃんにも立派な名前ができたぞ、もう劉二じゃねえ。田んぼの研究をするんだとよ、田を耕すのに何を研究するってんだ? …… 五、秋娘へ 変わり者ばかりの屋敷で、俺のことを「種地先生」と呼んで、本まで書けと言いやがる。俺たち百姓はいつも亭主たちに豚や犬みたいに扱われてきたのに、先生だなんて?お前と苗娃がまだいてくれたらよかったのにな。昔、村の占い師が言ってた、人は誰でも生まれ変われるって。お前たちは来世はいい家に生まれて、毎日お腹いっぱい食べられるといいな……書院の人が言うには、いつか誰もがお腹いっぱい食べられる世の中が来るんだと、本当にそうなったらいいな、そしたらお前たちがもし普通の家に生まれ変わっても、お腹いっぱい食べられるからな。