テキスト
八ちゃんへ。いまはまだ見回りの鐘を鳴らすことしかできないけれど、私は君にとても期待しているよ。いつか字が読めるようになったら、この手紙も無駄じゃなくなるね。
まずは...うん...長い間そばにいてくれてありがとう。張万師たちがいなくなってから、こんな変わり者の私が毎日あれこれ考えてばかりで、話し相手になってくれたのは君だけだった。まあ、君には分からなかっただろうけどね。さて、しんみりはここまで。ここからは君へのお願いだ。
一つ、私が外に出ている間は天宙屋を守ってね。でも本当に傷つけちゃだめだよ。びっくりさせるくらいで十分。私の仕掛けはよく不具合が出るけど、毎晩あれだけ話しかけてるんだから、少しは役に立つよね?
二つ、話せるようになること。みんな無理だって言うけど、私は君を友達だと思ってる。だから君の声を聞いてみたいんだ。安心して、声を出せるように仕掛けは私が改良していくから。
三つ、たくさん花や草を植えておいたよ。屋敷を守る時、退屈しないようにね。
四つ、見回りの鐘も忘れないで。あれで時間を知る人がたくさんいるんだから。
八ちゃん
もしずっとこの手紙が読めなくても、それはそれで悪くないかもね。変わった頭は、この世にお八ひとりで十分。
でももし、いつか本当に読めるようになったら、最後の言葉だけは忘れないで。お八と小小八は、ずっと一番の友達だ。