テキスト
鳥捕りをして何年になるか、変な鳥も変な人もずいぶん見てきた。だがあの年に出会ったあの絵師だけは、今でも思い出すと妙に気味が悪い。
渭西あたりは荒れ地ばかりだが、なぜか野鳥は多くて網がよくかかる。その日も網を下ろしたら一羽の金鳥がかかった。金鳥といっても羽が少し光って声が澄んでいるだけだが、値は悪くない。縄をほどいていると、ふと顔を上げた先に絵師が立っていて、網の中の鳥をじっと見ていた。
俺は客だと思って声をかけた。「どうだい、一羽。金鳥だ、珍しいぞ!」縁起を担いで言ってみる。
「金の桃をついばむ鳥でな、長生きの兆しって話だ」するとあいつの目が急に光った。だが縁起の話じゃない。
「...金の桃?」「そうそう。黄桃とも言うな。甘いんだ」
彼は静かに首を振った。「それは私の探している鳥ではない」
「じゃあどんな鳥だ?二十年捕ってるが、俺に知らない鳥はないぞ!」
すると奴は言った。「執念を残した英魂が金鳥になると聞いた。獅子の体から飛び出すのだと」
「...は?」
「彼らは、獅子の身より飛び立つ」
...こりゃいかれた奴だ。
俺は笑いをこらえて言った。「この辺は何十年もただの平野だ。よそを当たりな」
こんな世の中で鳥を探す理由なんて、腹を満たすか金にするかだ。英魂がどうのこうの言い出す奴はいない。
だが奴はぶつぶつ続ける。「ここには獅子があるはずだ。石の獅子が」
「石獅子があれば金鳥は宿る。いつか誰かに知られたとき、石獅子の口から飛び立つ」
俺は思わず言った。「この百里の平野に塚すら少ないのに、石獅子なんてどこにある」
「ならばここに描けばいい」
俺はやれやれと首を振って他の網を見に行こうとしたが、奴は呼び止めて金を差し出し、その鳥を買った。
ぽかんとしている俺の前で、奴は鳥をそっと抱き、羽を整えてから手を放した。
ばさっと音を立てて金鳥は空へ飛んでいった。
...まったく、世の中には妙な奴がいるものだ。